PHOTONIS USA INC.
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Long-lifeTM Microchannel Plates
 
Long-Life MCPは、高エネルギーフォトンや荷電粒子のイベントを増幅するコンパクトなディテクターで、アナログモード そしてカウンティングあるいは飽和モードとして色々な測定にご利用頂けます。
 
   Pulse Counting Mode
入射イベントレートにかかわらず一定の出力で使用します。このような飽和モードは、一般に高ゲインの得られる2枚以上MCPを重ねたもので実現できます。カウンティングモードでMCPを使用することでシングルフォトンの検出が可能になります。
パルスカウンティングは、天文学や分光学の分野のように非常に弱い信号を測定する場合非常に有効です。
パルスカウンティングモードは、自己制限があります。
またこの検出器は、明るく輝く物のイメージングにも大変適しており、水中での映像や宇宙船の地球再突入のモニタリングなどにこの個性的なMCPの性質が有効に働きました。
   Analog Mode
出力信号が入力レートにより変化し、イベントレートの変化する光学的評価をするような場合のグレースケール測定をするモードです。
非常に弱い信号を増幅する必要のある超高速CRTやナイトビジョン(暗視装置)にこのLong-life MCPをイメージングやアナログ電流モードで用いることができます。
出力電流の広いレンジを持つことでCRTシステムや質量分析などでより高い出力レベルの電流が得られます。
アナログモードで使用することで、高い位置分解、ポジションイメージング、電流増幅を必要とする分野においてご利用頂けます。
MCPを通常使用する場合プレートの両側に印加するバイアス電圧は最高1200Vまでで、出力側を高電位にします。半導体層に流れるバイアス電流は、連続して電子を増幅するために必要な電子を供給します。この電子を増幅する過程は、一枚のMCPの中の1つのチャンネルにフォトンや荷電粒子が入射するとそのチャンネル内のみで起こります。入射したフォトンや荷電粒子がチャンネルの内壁(Scondary Emissive Layer)に当ると2次電子が発生し、出射側に加速されていき、それらの電子が壁に当ると新たな2次電子が発生します。この過程が次々に起こり、最大104個の電子となって出射されます。

Multiplification Process MCP Cross Section

 

Multiplication Process Single Channel Detail

2枚以上重ねることでより高いゲイン(> 106)を得ることができ、

シングルMCP, Chevron
TM (Two Plates mounted), Z-Stack(Tree plates mounted ゲイン >107)をお選び頂けます。
 


出力は、一般にシングルメタルアノードや光ファイバー表面に作られたフォスファースクリーンにより信号として読み出されます。この他に、Multi-anode Wedge and strip、レジスティブアノードエンコーダー(RAE)、ポジションセンシティブディテクターなどがあります。
カスタムオプションとして色々ありますので(有)オプティマまでお問い合わせください。

MCPの種類についてはMCP Selection Guideをご覧ください。

 
 Long-Life MCPの特色

これらのLong−Life MCPは、高温での使用が可能なように標準MCPをガラス組成のものにに変えたもので、ガストラッピングが少なく真空引きの時間が節約でき、システムメンテナンスなどの後のシステム立ち上げが早く行えます。

Long-Life MCPは、次のような電気的特色があります。
  • 長寿命−システムの信頼性を維持するのに十分なより安定したバイアス電流とゲイン
  • 検出感度を改善する低ダークノイズ
  • チューブ内のガスを排出しよりよい性能を維持し、システムの立ち上げを早くするための高温でのベーキングが可能


Long-Life MCPは、他のMCPより5倍出力を維持できます。
 

Lifetime Comparison
Long-Life MCPs provide greater than 5 times the lifetime of the nearest competitor.


ダイナミックレンジは、弱い信号から強い信号まで増幅特性が変化しないでどれだけ測定できるかを計る指標で、Long-Life MCP テクノロジーは、Extended dynamic range(EDR) MCPにつながり、市販のMCPの中で最も高いダイナミックレンジを持っています。
(競合の約100倍)
 

Dynamic Range
The Extended Dynamic Range 5μm Pore MCP provides the highest dynamic range available.
Here the superior dynamic range is shown against The standard 10μm Pore MCP.


EDR MCPは、高価な冷却器など使用なしに350℃での使用が可能で、他のディテクターが熱的問題を避けなければならないような環境で使用ができます。
またクリーンな状態で真空を維持するために500℃での真空処理をしても差し支えありません。

Linear responceは、入力が変化した場合どれだけMCPのゲインを一定に維持できるかの指標で、全てのMCPディテクターは、出力電流がバイアス電流の約10%を越えるとゲインが下がります。Long-Life MCPは、Extended Dynamic Range プロセスと極微細ポア−構造とともにLinear responceを強化し、他のMCPの100倍線形出力レンジが改善されています。
 
 Long-Life MCPの特性

Spatial Resolution

マイクロチャンネルプレートの分解能は、ポア−の中心間隔に反比例します。Long-Life MCPには、5μm,6.5μm,8μm,10μm そして25μmのポア−径のものがあり、5μmのものが一番分解能が高く、詳細なイメージ測定が必要な場合最も適しています。

 

Spatial Resolution

High resolution MCPs are the result of exact manufacturing controls
to produce small pore MCPs with uniform center-to-center spacing.


Bias Angle

マイクロチャンネルプレートのバイアス角度は、表面に対するチャンネルの角度で用途により変わります。UV、軟X線では 0-19°、高分解能のアナログ検出の場合は 5°、ChevronやZ-Stack アッセンブリでは8°もしくは12°が最もよい角度になります。 0°バイアス角度は、主にコリメーション用に使われます。
バイアス角度は検出効率に劇的に影響し、5°以下では電子の放射角がチャンネル壁に対して浅くなるため極端に効率が落ちます。


電子に対する検出ピークの角度は5°、
X線やXUV(10-50nm)は 10°、
EUV(50-100nm)は 15°
となります。

15°より大きい角度は、入射がより深くチャンネル壁の中に入りこみ、それによって発生する2次電子がチャンネル壁からから飛び出す確率が低くなり、結果として検出感度が低下します。


Temporal Resolution

MCPの大変重要なパラメータは、ディテクターの反応時間です。
検出時間は、アスペクト比(MCPの厚み)によく比例し、これらのデバイスは大変短いパスを持っています。それにより大変早い反応をし、チャンネル内の高い電場によりすばやい電子増幅が起こります。パルス幅は1nsにもなります。マイクロチャンネルプレートは、時間分解測定によく使用されます。

 

  Temporal Resolution           Typical Temporal Responses
Typical pulse width measurements with     Details temporal responses typical of variety of detector
the 5micron pore advanced Performance     configurations.
Extended Dynamic Range MCP.


Optimized for Maximum Detection Efficiency and Open Area Retio

MCPに最初に入射したもののうち何パーセントが2次電子放出に寄与したか、そのパーセントを検出効率と呼び、MCPの検出効率は入射するものの種類、エネルギー、入射角度と最初にMCPに当った時の変換効率に強く依存します。
 


 


 


ほとんどの使用状況下において、MCPのチャンネルの間に当ったものは、一般的に変換に寄与しないため、MCPの検出効率は開口比(Open Area Ratio-OAR)によって制限されます。MCPの標準的なOARは、55-65%です。


Pulse Height Distribution

シングルMCPが、入射によって励起された時のパルスハイトディストリビューション(PHD)は、負のエクスポーネンシャル関数でよく表記されます。
Chevronno場合、空間電荷が飽和するのに十分高いゲインを持つことができ、飽和動作時のPHDはガウシャン関数となります。このことは、パルスカウンティングモード測定ができ、ほとんど一定出力のパルスは、カウントレート(< 106counts/sec./cm2)に関係ありません。
狭いパルスハイトディストリビューションは、パルスカウンティング用の電気回路を簡単にし、カウンティング統計を改善し、ディテクターの時間分解能をよくします。このディテクターは、それぞれの入射を区別でき、電気的ディスクリミネータを適切に使用することでバックグランドノイズを取り除くことができます。

PHDの特性は、一般にFWHMで記述し、ディテクターゲインの増加(MCPにかける印加電圧を高くする)によるPHDの狭体化は、ノイズをよく識別できるようになり、最適のS/N比で測定を行えます。

Pulse Height Distribution
With saturation in the detector, the PHD becomes Gaussian in nature.
 
 60:1 L/D

全ての標準サイズのMCPは、60:1 L/D比が選択できます。


Length-to-Diameter Ratio(L/D)

60:1 L/D MCPは、色々な測定用ディテクターとして使用できるように、優れたゲイン、PHD、強い機械的強度を持っています。


Higher Gain

60:1 L/DのLong-Life MCPは、通常の40:1 L/D MCPに比べ約10倍高いゲインを持ちます。60:1 L/D MCPは、少しばかり高い印加電圧を必要とするとともに、より高いゲインは、ディテクターの寿命を延ばし、検出感度を改善します。


Pulse Height Distribution

ChevronやZ-Stackとして60:1 L/DのLong-Life MCPを使用すると、40:1 L/D MCPに比べ約50%PHDが改善します。60:1 L/D MCPの狭いPHDは、信号認識を改善し、よりよいノイズ除去を行えます。


Mechanical Strength

60:1 L/DのLong-Life MCPの厚さが厚くなったことで耐久性が改善され、取り扱いが容易になり、システムの信頼性が確保できます。
60:1 L/DのLong-Life MCPは、多くのアプリケーションで使用できるように色々な形状を選択できます
詳しくは(有)オプティマまでお問い合わせください


40:1 L/DのLong-Life MCPの印加電圧の上限は、1,000Voltsです。
Performance Characteristics
Configuration L/D Ratio  Maximum
 Voltage
Gain  Pulse
 Height
Single MCP 40:1 1,000 V >4×103 Neg. Exp.
60:1 1,200 V >1×104 Neg. Exp.
Chevron 40:1 2,000 V >4×106 <175%
60:1 2,400 V >1×107 <100%
Z-Stack 40:1 3,000 V >3×107 <120%
60:1 3,600 V >2×108 <60%
 

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