PHOTONIS USA INC.
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Tel.: 1-800-648-1800 Fax:(508)-347-3849

URL: http://www.photonis.com

 
Channeltron Mass Spec Detectors

このチャンネルトロン検出器は、質量分析から極紫外やX線天文分野で、イオン、電子、中性子、あるいは、光子を測定するための、高い性能を有しています。そして工場での監視、分析化学そして厳しい環境の宇宙科学分野において高いゲインで信号測定ができるよう設計されています。

そして 安定したガラス面を持ち、高ゲイン、高感度、高い信頼性、優れた特性で長寿命を実現しており、広い分野で御利用頂けます。

このディテクターは、エネルギーの高い光子や正負イオン,電子のような荷電粒子そして多くの分子や原子を構成するものを、直接検出し増幅します。
ガラスチューブの内径は約1mmで外形は2mm,3mm,6mmがあり鉛珪酸塩ガラスでできており、電気伝導性と第2放射可能な層を持つユニークな構造となっています。

イオンなどが1個デバイス内に当ると一般的に2〜3個の2次電子が放出され、正バイアスによりチャンネルの奥に加速されていき、その電子がチャンネル壁に当りさらに電子を放出させ、最終的に107〜108個の電子のパルスとなって出力されます。
 


Cross Section: Surface Structure Of A Channeltron Mass Spec Detector
A high temperature hydrogen process reduces lead
oxide on glass surface, producing the conductivity
and secondary emissive characteristics critical to channeltron performance.



 


Multiplicatin Process Single channel mass Spec Detector

チャンネルトロンディテクターシリーズ

チャンネルトロンディテクターには、色々な測定に対応できるよう異なる5種類のシリーズを用意しています。
 
4000/4100 シリーズ
最初パルスカウンティング測定用に作られた、低電流で高ゲインそして低い消費電力のディテクターです。
これらのディテクターは、宇宙物理、研究開発やサイズや消費電力に制限のある携帯測定機器に有効です。

 
4700シリーズ
アナログもしくは電流測定モード用の高電流デバイスで作られています。これはガスクロマトグラフィー質量分析(GCMS)や残留ガス分析(RGA)そしてプロセスモニタリングにおいて広く使われます。

 
4800シリーズ
パルスカウンティングのみならずアナログモードで使用できるよう作られ、4700シリーズのゲインより通常 ゲインは高くなっています。パルスカウンティング質量分析そして液体クロマトグラフィー質量分析(LCMS)や化学分析電子スペクトロスコピー(ESCA)のような表面分析技術に用いられます。

 
5700シリーズ
世界中で高性能質量分析用ディテクターとして用いられています。イオンオプティクスモデリングなどの進んだ設計技術は、非常に高い感度、リニアリティー、と長寿命を実現しました。

 
7000シリーズ
いくつかの電子エネルギー解析装置やマグネティックセクターアレイ質量分析装置をアップグレードするために用いられます。このコンパクトで高ゲインのディテクターはシングルあるいはディテクターアレイとして設置できるように円形と長方形のアパチャーがあります。

 
寸法図
(寸法等は、予告なしに変更します。お問い合わせください。)


  4011,4013,4019    4021,4028,4039
  4716,4717        4720,4721,4730
  4750G,4751G,4752   4770,4770B,4771
  4772,4773,4774     4775,4778
  4816,4816B,4821    4831,4839,4860
  4870,4870E,4870V


 * Extended Dynamic Range Channeltrons

上記ディテクターは、標準のダイナミックレンジもしくはCustom Extended Dynamic レンジ(EDR)のもので供給します。EDR チャンネルトロンの低い抵抗値は、特別なガラスに特別な処理を行うことでもたらされ、一般的に最大線形出力電流もしくは、出力カウントレートが5倍高くなります。

チャンネルトロンのオプションにつきましては、こちらをご覧ください。

 
チャンネルトロンの特徴

Typical Performance Specifications
Electrical Characteristics 4000/4100 Series
at 3000Volts
4700 Series
at 3000Volts
4800 Series
at 3000Volts
5700 Series
at 2000Volts
7000 Series
at 3000Volts
Operation Analog or Pulse Anolog Anolog or Pulse Anolog Pulse
Maximum Operating Pressure 1×10-4 Torr 1×10-4 Torr 1×10-4 Torr 1×10-4 Torr 1×10-4 Torr
Maximum Specified Operating Range 3,000 Volts 3,000 Volts 3,000 Volts 3,000 Volts 3,000 Volts
Bias Current Range 2.3 to 4.3 μA 35 to 55 μA 25 to 45 μA 145 to 190 μA 3.75 to 7.5 μA
Minimum Gain
(With Anode Cap Collectors)
1×108
5×107
1×107
 ―
1×108
 ―
1×106
 ―
41×108
5×107
Maximum Dark Current 1×10-11 A 1×10-11 A  N/A 1×10-12 A  N/A
Maximum Dark Count 0.05(Counts/Sec.) 0.05(Counts/Sec.) 0.05(Counts/Sec.) 0.05(Counts/Sec.) 0.05(Counts/Sec.)
Maximum Linear Output Current 10% of
Bias Current
10% of
Bias Current
10% of
Bias Current
5772- 0 to 8 μA
5778- 0 to 50 μA
10% of
Bias Current
Maximum PHD(FWHM) 60%  N/A 75%  N/A 75%

GAIN

ゲインは入力信号強度に対する出力信号強度の比で、2次放射係数と印加電圧、チャンネルの径と長さの関数です。ゲインはチャンネルトロンに印加する電圧を高くすると、空間電荷飽和が起こる値に近ずきます。これは、チャンネルの出力端の壁がポジティブになるために、2次放射が1に近ずいたときにおきます。この様な状態になる印加電圧もしくはそれ以上の電圧で使用するとパルスカウンティング出力で、それ以下の電圧で使用する場合は、アナログ線形出力になります。
 

Typical Channeltron Gain


Dark Count

ダークカウントは、入力の無い状態でのチャンネルトロンの出力カウントレートで、パルスカウンティング測定時に用いられ通常 カウント/sec.で表示します。
このチャンネルトロンの主なる特徴に一つは、非常に低いダークカウントで、パルスカウンティングモードにおいて大変弱い信号レベルのものが測定できます。全てのチャンネルトロンマススペックディテクターのダークカウントレートは、通常の使用条件で、0.05cps以下です。


Dark Current

暗電流は、入力が無い状態でのチャンネルトロンのアナログ測定時の出力電流で、コレクターアッセンブリの漏れ電流としてチャンネルトロン以外のファクターとして取り扱ってもかまいません。


Dynamic Range

ダイナミックレンジは、測定可能な最小信号と最大信号の比で、アナログチャンネルトロンディテクターでは、暗電流と最高線形出力電流の関数で、パルスカウンティングチャンネルトロンディテクターでは、ダークカウントレートと最大出力可能カウントレートの関数です。

Typical Analog Channeltron Linearity At 105 Gain
Typical Pulse Counting Channeltron Dynamic Range
Maximum count rate will vary by model

Pulse Height Distribution (PHD)

PHDは、印可した電圧に対してディテクターからの出力パルスの強度分布を簡単表示したもので、アナログモードの場合はネガティブエクスポーネンシャル分布になり、パルスカウンティングモードの場合は、ガウス分布になります。
ほとんどのパルスカウンティング測定においては、狭いPHD(% FWHMによって記述)は入射イベントの定量性を改善します。


Analog Pulse Height Distribution


Pulse Counting Pulse Height Distribution



Detection Efficiency

検出効率は、入射したものがチャンネルトロンに最初にぶつかり2次電子を放出させる割合で、このあと増幅が起こります。
与えられた測定に対して検出効率が高いことは感度と検出器の寿命を改善します。
チャンネルトロンの検出効率は、入射粒子や光子の質量と電荷の比、速度と入射角度に強く依存します。
 


 


 


Lifetime

チャンネルトロンは、10-4 Torr 以下で使用できますが、より高い真空度で使用することで、検出感度を高め、検出器の寿命を長くします。ほとんどのチャンネルトロンの最高印可電圧は、3000V.ですが、チャンネルトロンの寿命にとっては、、測定目的に合った性能のでる、最低の印可電圧で使用することを勧めます。その電圧より高くしても性能の改善は望めず寿命が短くなります。
このMass Spec Detectors は、通常の使用条件で検出器寿命を長くするように設計し、製造されています。しかしチャンネルトロンの寿命は、使用時の真空度や測定対象のクリーン度ばかりでなく、取り扱い方や保存状態に強く依存します。
 


Typical Analog Channeltron Lifetime


      Typical Pulse Counting
      Channeltron Lifetime


 

チャンネルトロンの取り扱い、クリーニング及び保存について

Handling

チャンネルトロンを取り扱う場合、著しく性能を低下させる油 による汚れを避けるために、きれいなタルクフリーの手袋や指サックをしてください。糸くず、ダストや浮遊粒子は、窒素ガスや乾燥空気で取り除いてください。


Cleaning
チャンネルトロンの検出器の性能は、ゲインの低下につながる検出器表面の仕事関数を高める、色々なタイプの炭化水素物質にさらされることで低下します。

オイルの逆流や真空度の低下による汚染の場合、次に述べる手順に従いクリーニングして下さい。
  1. ディテクターをエレクトリカルグレードあるいは高純度イソプロピルアルコールに浸し、マグネティック撹拌器を使用し5分間撹拌してください。
  2. ディテクターをイソプロピルアルコールに浸し超音波洗浄機で5分間洗浄します。
  3. 新しいきれいな溶剤を使用し、1と2を必要なだけ繰り返します。
  4. 溶剤からディテクターを取り出し、オイルフリーの窒素ガスを流して乾燥させます。
  5. 約80℃のオーブンで少なくとも15分間暖めます。
  6. オイルフリーの窒素ガスを流しディテクターを乾燥させ、取りつけます。
上記にしたがってクリーニングしたチャンネルトロンは、ディバイスのゲインを一時的に高めます。これは、表面上の物質の吸収によるもので、一般的に短時間の現象です。


Storage
Channltron Mass Spec 検出器の2次電子放出表面は、主としてアルカリをドープしたシリカ層より作られています。水蒸気を吸着させないため、また検出器の性能を保持するために特に注意して取り扱う必要があります。

チャンネルトロンディテクターは、密封した袋、もしくは簡単な既成のプラスチックケースに入れて送られます。両方とも5ヶ月以上送られた状態のまま保存しないでください。長期間保存する場合は、乾燥窒素の中か、オイルフリーの10-2 Torr 以下の環境で保存してください。



 
一般的な電気接続

全てのチャンネルトロンは、正負のイオン、電子やフォトンを検出できます。

ほとんどのチャンネルトロンは、市販されている質量分析計に直接取り付けることができます。これらの装置のチャンネルトロンの電気接続は、マニュアルの中に詳しく書かれています。


お客様独自の測定系で使用される場合、最大定格の電気接続は、下図を参照してください。

 


Aperture plateとディフレクターは、マウンテッドユニットのみに含まれます。
 

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